頑張らないために頑張る

ゆるく頑張ります

アルバムレビュー Cadans der getouwen「Cadans der getouwen」

Posted at — Sep 25, 2019

Cadans der getouwenとは

オランダのカントリー・フォークグループ。Guy Roelofsが中心となり結成。活動時期は2000年前後ごろ。現在は解散しており、Tjaneに活動が引き継がれています。

・・・基本情報少な過ぎるんじゃないかって?いえいえ。何せオフィシャルサイトがオランダ語でさっぱり、リーダーのGuy Roelofsをインタビューした記事は英語(とりあえずなんとか読める内容ではあるけど)。検索して出てくるとしたらオランダ語のレコード店のページ。あとはDiscogs。日本語のページは皆無・・・。むしろ、下手したらこのページが日本語記事でサジェストされる勢い。まぁ、ホントに情報ないです。

とは言え、情報が少ないことと、アーティストの音楽性やアルバムのクオリティに関係はまったくありません。えぇ、とにかく絶品です(ちなみに試聴は後述のとおりYouTubeでも可能です。ググっても出てきます)。

アルバムの内容とか

どの曲も基本的には、フォークとかトラッドミュージックをベースにしています。そこにポップとかカントリー、イージーリスニングっぽい要素が絡んで、郷愁を誘うような懐かしい曲調でありつつも現代的なエッセンスを盛り込んで、非常に聴きやすいアルバムになってます。

1曲目の「Rom Rom Mij Wielken」とか2曲目の「De Linnenwevers」なんて、すごくポップで「トラッドミュージック」って感じはあんまりしなかったりします。むしろ、ちょっとしたAORって感じ。

とは言え4曲目の「Spotlied – Polka」では、いかにもフォーク!トラッド!って感じの曲が出てきたりして。後半になればなるほどトラッドさで主張するような曲が多くなってたりして、しっかりカントリー好きもワールドミュージック好きも喜ばせてくれます。アルバム前半では聴きやすく現代的な曲調で揃えつつ、そのままトラッド色の強い後半まで引っ張って行くような構成です。なので、個人的には後半まで通して聴かせるために、前半に「掴み」になりそうな曲を配置したのかなー、と思ったりもします。

基本的にリズム隊はエレキベースとベーシックなドラムセットなので、そこだけ聴くととても馴染みやすくポップです。ただ、各々の曲のイントロや間奏に顔を出すフルートやアコーディオンのおかげでただのポップやAORにならず、カントリーやトラッドさがブレンドされて、いいスパイスになってます。とくに特徴的なのが「ブズーキ」と呼ばれる、バルカン半島方面で用いられるギターやマンドリンのような弦楽器です。一聴するとシングルコイルのピックアップ搭載のギターっぽい硬質な響きなのですが、この「ギターっぽいけど、でもなんか違う」というのがいい味を出しています。

どの方面にもウケる、高次元でバランスの取れた構成になっていると思います。

ちょっと難点があるのよ

難点なのは全曲通じて歌詞がオランダ語なので、内容がさっぱりなこと。全然わからん。オランダ語を解する人でカントリーやトラッドミュージックが好きで、しかもSpotifyなどのサービスを利用している人は、今すぐ歌詞の内容を理解しつつ聴けます・・・って、難易度が高すぎるっての_(:3」∠)_

それとCDをはじめとするフィジカルな音源が入手困難なこと。ただ、Spotifyなどではストリーミング配信されているため、こういったサービスを利用している人で「別にCDとかモノで持ってなきゃいけない必要はないよ」っていう人には問題ないと思います。

どこで聴けるかって言うと

Spotifyにはありますが、Amazom music unlimitedにはありませんでした。Apple Musicでは配信されているのかな?ちょっと調べきれてないです。誰かご存じないですかね?

ちなみに、YouTubeに音源がアップロードされているのですが、これオフィシャルなんですかね?

ちなみに

グループ名である「Cadans der getouwen」。これはオランダ語で、翻訳すると「織機のリズム」。なんで織機か、というと中心人物のGuy Roelofsの両親がテキスタイルの工場オーナーだったからだとか。

ちなみに2

そもそも自分がこのアーティストを知ったのは、タワレコかHMVかディスクユニオンのどこか店舗でセールされてた輸入盤を買い漁ってたときなんですよね。たぶん2000年代後半のどこかで買いました。この頃は、とにかく何でもいいからいろんなアルバム買ってたな・・・。このアルバムに関しても、「とりあえず中身わからないし、そもそも何語なのかすらわからないけど、なんとなくジャケットからして良さそうだから買ってみようか」みたいな。たしか、そんなノリだったと思います。よくぞ買っておいた、私。いやー、数百円をケチったりしないで買っておいて、ホントよかった。

今ではもう記憶も定かではないですが、たぶん中古盤ではなかった覚えがあるので、そもそもバイヤーは何でこのアルバムを仕入れたのか、とても興味があります。ヨーロッパカントリー好きなバイヤーだったのだろうか。でも、なかなか売れないだろ、こんなの。いや中身はいいんだけどさ、ニッチすぎるでしょ。

郷愁の田園風景を彷彿とさせる曲たち。帰省する旅路でのBGMにいかがでしょう。

comments powered by Disqus