ので、以降はただの蛇足・・・ではあるのですが、さすがにそれだけでは何なので、稀代の名作「イルミラージュ・ソーダ」を紹介して皆さんをこの深い沼に引きずり込もうというのが今回の記事の趣旨です。はい、こちらに見えるのが沼です。沈もう?ね?沈もう?(圧
なお、この記事ではネタバレを含みません。ネタバレを含まないかわりに、作品のストーリーテーリングに絡むような核心部分には触れず、上澄みの部分を紹介するのみとなっております。というか、全般的にほぼブログ主の愚にもつかない駄文となっています。
なので、あまりに暇すぎてフローリングの木目の筋を端から1本ずつ数えそうになったときにでも、クーラーの効いた部屋のなかでソーダ片手にでも気楽にお読みいただければ幸いです。今年の夏も相変わらず暑いし。
ちなみに、この記事ではイルミラージュ・ソーダの購入先リンクをこれでもかと配置しています。ダイレクトマーケティングです。アフィリエイトとかではないので、仮にご購入されたとしてもブログ主には1銭も入りません。
ええ、お代は要りませんとも、沼に沈んでくれさえすれば。
イルミラージュ・ソーダは音声作品です。ボイスドラマっていうよりは、声と音を最大限活用した音声作品です。
音声作品がお好き?結構、ではこれを見ればますます好きになりますよ!
ご購入はこちらからどうぞ(ダイマ1回目)。
・・・と、声の調子やセリフというようなボイスドラマとして有効な表現方法だけでなく、背景の環境音やもう環境音ですらないグリッチノイズや深いリバーブのかかったドローンサウンドまで、ありとあらゆる「音」という素材を総動員で駆使したアンビエントエレクトロニカです。
そう、ストーリーに基づいたボイスドラマっぽい出来でありながら、音楽的なアプローチを取った作品であるために音楽作品としても立派に成立しているのです。
もちろん、音声作品としても声の表現やセリフから織りなすストーリーは非常に素晴らしく、一筋縄ではいかない「終わる世界と夏の夢(作品のキャッチコピー)」に浸れること請け合いです。しかし、声による表現だけではなくときおり差し込まれる効果音やノイズのおかげで、目を閉じれば深く深く沈み込むような冷たくも静謐な感覚を味わえるでしょう。水の音、とくにせせらぎのような優しい音ではなく「ボコッボコッ」という深い海に沈むようなわりと派手な音の、かくも効果的な演出に度肝を抜かれます。かと思えば、ほとんど何も聞こえず不安感を煽るような部分もあり、刻一刻と目まぐるしく変わる万華鏡のようなサウンドスケープは、何回も聴き込まなければ咀嚼しきれない味わい深さを演出してくれます。
音声作品と言いつつも、ボイスドラマ的な側面だけではない音が持つ本来の魅力に溢れた本当の傑作なのですよ。いや、ホントに。
ぜひ、いいノイズキャンセリング性能を持ったイヤホンやヘッドホンを使って現実というしょうもないノイズをキャンセルしつつ、イルミラージュ・ソーダのサウンドアートにどっぷりと浸かってほしいところです。なぜかというと、無音だと思っていた場面にも、よくよく耳を澄ましてみると極々小さいか細いドローンが鳴っていた、なんていうことが何回もあります。ちゃんとそのボリューム設定にも意味があるわけです。
また、セリフとノイズがオーバーラップしている場面では、どうしても人間の性質として「人の声」を優先して聞こうとします。が、ここはぜひその背後で鳴っているノイズにも注目してほしいので、やっぱり高音域から低音域までまんべんなく聴かせてくれるようなイヤホンやヘッドホンをオススメします。中音域だけじゃないのですよ、これが。
そんな出来なので、「ボイスドラマってあんまり興味ない」という向きにも聴いてもらいたいくらい、素晴らしい作品となっております。聴こう?ね?聴こう?(圧
あー、ストーリーの中身とかここで言いたいんだけど!言いたいんだけどなー!(チラッチラッ
というわけで、こちらからどうぞ(ダイマ2回目)。
なお、百合作品にありがちな話題としてよく挙がる「百合の間に挟まる男が出てくるか否か」ですが、イルミラージュ・ソーダには出てきません。ヨカッタネ!
DLSiteのページにはトラックリストが掲載されています。が、購入してダウンロードしてみるとわかるのですが、実は聴けるのは掲載されている分だけでありません。実際にダウンロードできるトラックは掲載されている本編分に加え、ノイズ作品と音声作品が特典として追加されています。やったぜ。
このボーナストラック的な追加トラックも、クオリティ的に抜かりはまったくありません。しかも、これらのトラックはすべて同じ長さという、「きっと何か意図があるよね?」と勘ぐりたくなる要素もまでしっかり含みをもたせてくれているのがニクい。
というか、この追加トラックたちだけでちょっとしたEPがパッケージできるよね?ってくらいのクオリティなんですよね。音像を無理やり言葉で表現するなら、気持ちハードなOneohtrix Point Neverというべきか、ディストーションを踏んだStars of the Lidというべきか。はたまたリバーブをWetに全振りして残響の海に沈んだMogwaiか。
個人的には、この追加トラックたちも本編に負けず劣らずのクオリティを持った素晴らしい出来であると言うほかありません。ノイズの嵐にさらされながら、それでも聴き続けなければ到達できない境地がここにはあります(これは比喩でなく本当。あるトラックで、本編との絡みがちゃんと用意されています)。
前述のとおり「イルミラージュ・ソーダ」は、ボイスドラマとしてだけでなくアンビエントエレクトロニカとしてまごうことなき傑作なわけです。
とはいえ、エレクトロニカってそんなに一般的じゃないよね?と思うので、ここからはイルミラージュ・ソーダでアンビエントやエレクトロニカに興味を持った貴方に送る、ブログ主の独断と偏見によるオススメのアーティスト紹介です。
・・・あぁああぁ、ちょっとまって、ブラウザの「戻る」ボタン押すのはちょっと待って!ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから!!
なお、以下のYouTubeのリンクはなるべく「オフィシャルっぽいもの」を選んでいるつもりです。そのため、オフィシャルチャンネルが見つけられなかったアーティストについては、YouTubeのリンクを貼っていません。が、「貼ってあるやつはどうもオフィシャルじゃないものっぽいぞ」とか、「オフィシャルチャンネルあるじゃねーか」という場合はこっそり教えてください、よろしくお願いします。
個人的には、イルミラージュ・ソーダのトラック群を聴いて最初に思い浮かんだのが、Pharmakonでした。囁きか叫びか、っていう違いはありますが。ビーーーーーガーーーーーーギャーーーーーーっていう音楽です。ホントにこんな感じの音。
説明になってないように見えますが、百聞は一見(一聴?)にしかず、です。
Pharmakonの次に思い浮かんだのが、往年の名グループであるWolf eyesです。イルミラージュ・ソーダのノイズトラックと聴きながら、「We all hate you」とかこんな感じだったような・・・と思って、Apple Musicで久しぶりに探して聴きました。
あと、オフィシャルサイトがかなりサイケ。
次はOneohtrix Point Never。こっちもこっちでオフィシャルサイトがめちゃくちゃサイケデリック。アルバムによって、かなり内容が変化するアーティストなのですが、アルバム「Betrayed in the Octagon」は白玉全開なエレクトロニカに全振りしてます。
こちらも大御所のTim Hecker。心地よくもどこか不穏で、少し「怖い童話」の世界を歩いているような気になる、そんなドローンやフィードバック。
直近のリリースが、「KONOYO」(この世)「ANOYO」(あの世)というのもポイント高い。
なお、YouTubeではオフィシャルチャンネルっぽいものを見つけられませんでした。大御所なのにないの?マ?(ごめん、探し方が悪いだけだと思いたい)
今回挙げた中では多分一番叙情的で静か、パーカッションなどのリズム隊を徹底的に排した穏やかなアンビエント。
どうもオフィシャルサイトが死んでるっぽい・・・。ので、昔なつかしのmyspaceをリンクしておきます。こちらも、(多分オフィシャルサイトと同様の理由で)YouTubeのオフィシャルチャンネルっぽいものは確認できませんでした。残念。
エレクトロニカって来たら、まぁ、この人を書かないわけには行くまいて。フェネス御大です。どうしても「Endless Summer」のイメージがあってその線で紹介しちゃうんですが、それ以外のアルバムも名盤です。
意外や意外、YouTubeにオフィシャルチャンネルっぽいものは確認できませんでした。見つけ方が悪かったかな?なので、BandCampをリンクしておきます。
イルミラージュ・ソーダはいいぞ。
いや、ホントに冗談抜きで傑作だと思います。この記事は終始ずっとべた褒めですが、個人的には2022年中にリリースされた作品の中でも上位に食い込んでます。上位っていうか、今の所暫定1位。
ちなみに、イルミラージュ・ソーダの前はbeabadoobeeのBeatopiaが暫定1位でした。これもとっても良いアルバムだぞー。
そんなわけで、みんな、買お?(ダイマ3回目)